フィッ子

ディナミによる日々の糞と屁の集積所

penifikko

0518

5月18日、芸術センターの谷中さんのパフォーマンスを見てきた。彼はめりすの卒展評論特集において特に印象に残ってた人(ほかに印象的だったのは迎(ゲイ)くらいだ)で、たしか岩かコンクリの塊に穴をあけてそこにミカンやリンゴなどを埋め込んだ作品で青果だけが腐敗していくような作品だった(はずだ。別の年も野菜を使っていた記憶があるし、崇仁小学校の入口にも野菜とコンクリの複合作品があった。

野菜は風景をひっくり返す Vegetables can turn a landscape inside out | 谷中佑輔 / Yuske Taninaka を参照のこと。)かのぎぼん正造も一目を置いている存在。それくらい特異な存在感があった。2014年に「舞台がぼんやり~」の際に偶然顔を合わせる機会があって谷中さんも何となくうちらのことを知ってくれていた。でも何年も名前を見かけなくなっていて

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どうやらこの数年はドイツに拠点を移しているらしく道理で見かけないはずだ。久々に動向を確認できると思い、見に行った(千円札を握りしめて)。

事前情報として1時間喋りっぱなしだというのを聞いていたが、実際のおれの感想としてはテレビ番組の「TED」みたいなやつだった。東アジア(日本海)の(商業)捕鯨の歴史を紐解く的な内容だった。彼は台本片手に英語でスピーチし、後ろのプロジェクターにセリフと連動した日本語字幕と説明的な映像が流れる仕組みだった。ステージには鯨の骨を模した梵鐘のようなものや鯨の顔の鐘つき棒、くじらの解体を想起させる回転オブジェ(下には固形の鯨油のようなものが蓄積してる)が展示されていた。

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感想。谷中さんの英語の発音はうまかったが客のほとんど日本人なのに非母国語でスピーチする意図がよくわからなかった・・。あのステージがインターナショナルな場だと仮定し、日本人以外の諸外国人に向けてやってたのかもしれんけど・・。そういう勘繰りするのもしんどい。おれは英語がわからないので日本語字幕を眼で追いかけるだけだったが、字幕の表示がミスしまくってて最悪だった。それよりオブジェ、特に梵鐘の質感はやばかった。重量感のある彫刻は威圧感が圧倒的だった・・。

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スピーチにあわせた映像はチープだが味があったし、現地取材の映像もよかった。スピーチしながらオブジェを降ろしたり動かしたりしてて緩急入れていた。蔚山というかつて捕鯨が盛んで「犬も1万ウォン札をくわえて歩く」ほど、お金が潤っていた話が良かった。その犬の像が蔚山にあるらしい。(参照:http://mursak87.hatenablog.com/entry/2017/05/16/132732)ほかにもいくつかの韓国の都市についての説明。日本の興した東洋捕鯨株式会社と戦後の取り扱われ方。

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ぼんやりと捕鯨の歴史は何となくわかった気になったが、心は満たされなかった!オブジェは完成度高くパフォーム後に写真を自由に撮っていいのが良かった。おれはその後、挨拶も何もせずにそそくさと帰ったのでした。



身銭切り切り人